歴史に学べ!「世界史を俯瞰して,思い込みから自分を解放する 歴史思考」

歴史を通じて,視野を広げられる本を見つけました.

「世界史を俯瞰して,思い込みから自分を解放する 歴史思考」です.

 

本書では,歴史上の偉人たちの人生を様々な視点から眺めていきます.題材にしている人物は,いずれも教科書に名前が載っている有名人たちです.我々のような一般人とは才能や境遇が全く違うと思うかもしれません.

 

しかし本書のポイントは,偉人達の功績だけではなく,若い頃の失敗談や周囲の人々,時代背景にも焦点をあてていることです.彼らも自分たちと同じ人間なのだと,親近感を持ちながら読み進められました.

 

取り上げられている偉人たちから1人,紹介します.

カーネル・サンダース」は知っている人も多いでしょう.ケンタッキー・フライド・チキンの生みの親です.では,若いころから成功していたのでしょうか?答えはNOです.

 

サンダースがフライドチキンを売り始めたのは40歳のときです.今のようにフランチャイズの専門店を始めたのは65歳のときでした.若いころはフライドチキンと全く関係のない十数の職を転々とし,その間に2度の破産も経験しています.

 

サンダースの生涯から学べるのは,「成功を急ぎすぎない.人生のクライマックスはまだまだ先にある」ということです.

 

著者の深井さんも次のように述べています.

“30代や40代くらいで「成功した」「失敗した」と言うのはやめましょう.不毛です.”

 

世の中の「常識」や「当たり前」の価値観に悩んでいる人にぜひ読んでほしいです.偉人たちの人生や,時代背景を知ることで,「今の常識だけが正解ではない.別の考え方もある」というように視野を広げることができます.