さて,あなたは・・・?「会社に行きたくない。さて、どうする?」

会社員の皆さん,「明日,会社行きたくない」と思ったことはありませんか?

私も会社員として勤めていますが,主に人間関係が理由で,「会社,行きたくねえ・・・」と気持ちが落ち込むことがあります.

今回は,そんな不満を抱えた方々の心を軽くしてくれる,新しい気付きを与えてくれる本「会社に行きたくない。さて、どうする?」を紹介します.直球すぎるタイトルですね.

 

著者の和田秀樹(わだ ひでき)さんは,東京大学医学部を卒業し,現在は精神科医をされている方です.東京大学の受験塾「鉄緑会(てつりょくかい)」の創設メンバーでもあり,映画監督でもあるという,多方面で活躍されている方です.

 

この本では,「会社に行きたくない」という気持ちになっているという状況を,様々な視点から検証しています.さらに,具体的な解決策や考え方まで書いてあります.

 

基本的には,「会社に行きたくない」というのはメンタルの不調を示すサインであり,ガマンしすぎるのはダメ.会社より自分の心身を大切にしようという主張です.

主張自体は特別なものではありませんが,和田さんの考え方で「この考え方はしたことなかった!面白い!」というものを3つ紹介します.

①「安楽死」よりも大事な「安楽生」.元気な時に安楽な生き方を選ぶ.

人生100年時代.今までよりもガマンをする時間は長くなる.

③体の健康維持と同じくらい,心の健康にも気を遣うべし.気軽に精神科へも行けばいい.

 

①「安楽死」よりも大事な「安楽生」.元気な時に安楽な生き方を選ぶ.

安楽死は知っている方も多いでしょう.日本では認められていませんが,末期がんなどの助かる見込みが薄い患者に,薬物によって苦しむことなく死に至らせることです.この場合,苦しみと安らぎから,安らぎを選ぶということになります.

和田さんは,元気な時にも,苦しいことより心が安らかになる選択をすることが大切だと述べています.「安楽生」という表現もわかりやすく,日々の生活でも意識すべきことだと思いました.

 

人生100年時代.今までよりもガマンをする時間は長くなる.

言われてみれば当たり前ですが,寿命が前より伸び,定年退職までの期間も長くなりました.ということは,ガマンしながら過ごしていると,その苦しみも長くなります.

年功序列や終身雇用も崩れていくこれからの時代,同じ環境でガマンし続ける必要性はどんどん薄くなっていきそうですね.

 

 

③体の健康維持と同じくらい,心の健康にも気を遣うべし.気軽に精神科へも行けばいい.

“15人に1人が生涯に一度はうつ病にかかる可能性があると報告されています.ストレスの多い現代社会では誰もがかかり得るのです.”

読んでいて驚きましたが,心の病気はかなり身近なものです.しかし,日本人はよほど重い病状にならないと,精神科に行かないそうです.逆に,アメリカ人は気軽に精神科へ行ってカウンセリングを受けるそうです.和田さんは,考え方や文化の違いがこの差を生んでいると考えています.

 

“日本では,心の病は「本人の心の弱さが招くもの」と考える人が多くいます.”

アメリカでは,心の病を恥として隠すことはしません.むしろ逆です.ひとりで抱え込んだりせず,オープンに話して専門医の助けを乞うのが知的レベルの高さを反映すると考えられているのです.”

 

働けないほど重い症状になってからでは,復帰にも時間がかかります.心のストレスも「体調不良の1つ」という位置づけで,症状が軽いうちに対処する必要があると思いました.

 

この他にも,メンタルの不調へ対処するための方法や考え方について書かれています.「会社行きたくない」と思った方は一度手に取ってみてください.